浦和 EAST SIDE STORY
メンバーのネモケンです。
今回も地域の歴史や文化にまつわる話をシェアします。
半世紀前までは…
私が見沼たんぼエリアで原風景復元や環境芸術の活動を手伝っているなかで「さぎ山」を愛する方々によくお会いします。
皆さんは知っていますか?
現在のさぎ山記念公園がある旧浦和市東部の上野田あたりは、「野田のサギおよびその繁殖地」として特別天然記念物に指定されていた観光地(!?)だったことを。
食通に超有名な和菓子、菓匠花見さんの「白鷺宝(はくろほう)」はそこの「しらさぎ」の卵をモチーフにしていますし、
地名ではないですが旧浦和市東部には「しらさぎ」の名を冠した店舗や施設がいくつかあることから独自の地域文化遺伝子の存在を裏付けています。。
駅前の日常風景は…
さて「さぎ山」から少し離れますが、JR東浦和駅前の公衆トイレにはしらさぎのタイル壁画があります。30年以上経っているのでしょう、老朽化するトイレ設備と同様に素敵な壁画もタイルがポロポロ剥がれ落ちています。いつどんな経緯で描かれたものかわかりませんが、私は剥落するタイルの壁画がいずれ撤去されてしまわないか気が気でならないのです。
年末のある朝、公衆トイレ前の花壇の手入れをしている方を見かけたので近づいてみると…
剥落したタイルを拾い集めていたんです!
詳しく話を聞いてみると壁画を愛する地元の方に拾い集めるよう頼まれているとのことでした。
おそらくタイルを修復するのでしょう。詳細はわかりませんが、地域の方々の関係によって成り立つ日常の風景は素敵ではないですか?
とにかく言いたいことは、地域にあるものを地域の人々がごく自然に守り継ぐ そんな当たり前なことが大事なのではないかということです。
5月のGreen Drinks Saitamaでスピーカーの方が仰っていた「地域の共有資産を守り継ぐのはやはり地域の人々の“思い”だ。」という言葉をふと思い出しました…。
視点を変えてみると…
ところで2ヶ月ほど前、高尾山に登ったときに北東を眺めてみると…。
(!)
新都心のビル群とともに埼玉スタジアムの屋根によって我が市域を認識できたんです!!!
埼スタの屋根のデザイン… 実はこれ「しらさぎ」の翼がモチーフになっているそうですよ!
高尾山からも肉眼で見える埼スタの屋根はサッカーの国際試合などで世界中に放映されますね。半世紀前に比べて激減した「さぎ山」の「しらさぎ」は実は世界に羽ばたいているのではないでしょうか。
「白鷺宝」も「埼スタの屋根」もデザイン学生の私からするとめちゃくちゃクールだと感じます。ただそれが着目されていないだけなんです。
私たちは私たちの地域を客観的に見て魅力にもっと気づくべきなのでしょう。